状況別一覧
【1事故直後の場合】
交通事故が発生すると、突然の出来事にショックを受けてしまいます。
ショックも冷めやらぬうちに、警察の実況見分や事情聴取が行われます。
また、乗っていた車が損傷して無残な姿になり、修理が必要となります。
ひどい場合は、車体の骨格がゆがんだりして全損状態となります。
車の損傷部分はもちろん、事故で壊れたものがあれば、すべて写真を撮っておきましょう。
身体もケガをして、むちうちの場合は頚や腰が痛くなり、骨折の場合は手術が必要になってきます。
治療は通常は数ヶ月から半年ほどにわたり、通院する日々が続きます。
追突事故であれば過失割合は100:0ですが、それ以外の場合は過失割合で相手方ともめることもあります。
このように、事故が発生すると、肉体面でも精神面でもダメージを受けます。
相手方に任意保険会社がついていれば、具体的には保険会社の担当者と協議をすることになりますが、相手方の車が自賠責保険だけで任意保険に加入していない場合は、相手方とそれらの協議をしていく必要があります。
そして、相手方の資力によっては十分な賠償を受けられないこともあります。
事故の被害者は、事故の発生した後もこのようなダメージを受け、二重三重に苦しむことになります。
※弁護士に依頼した場合
しかし、このような場合でも、早期に弁護士に依頼することで、車の修理や過失割合の交渉も自分に変わってしてくれ、今後の進め方について見通しがつき、安心して治療に専念することができます。
【2 治療中の場合】
事故でケガをすると、医療機関で治療を受けることになります。
治療費は加害者に任意保険会社がついていれば、治療費は保険会社が直接病院に支払ってくれます。
整骨院の施術は注意が必要です。
保険会社は、主治医の許可や同意がないと、整骨院の施術までは認めず、整骨院の施術については支払を拒否することもあります。
整骨院の施術を受ける場合は、あらかじめ主治医の許可や同意を取り付けておきましょう。
また、むちうちのように、レントゲンやMRIで明らかな異常が認められないものについては、保険会社は2~3ヶ月もすると、治療の打ち切りを求めてきます。
いくら被害者が治療を希望しても、保険会社は一方的に医療機関に連絡をして、治療費支払を打ち切ってしまう場合もあります。
このような場合、被害者は希望する十分な治療を受けることができず、保険会社から非常にストレスをかけられることになります。
※弁護士に依頼した場合
弁護士に依頼した場合は、治療の継続に関する交渉も弁護士が被害者本人にかわって、保険会社と行ってくれます。
自分が直接交渉しなくてもよくなるので、被害者はストレスから解放されます。
弁護士は、被害者ができる限り治療を継続できるよう、全力を尽くして保険会社と交渉します。
【3 治療が終了した場合】
治療を続けた結果、症状がなくなった場合は「治癒」、症状がある程度良くなったがそれ以上はほぼ変わらないようになった場合は「症状固定」となります。
「治癒」の場合は、保険会社と損害賠償額の示談交渉へ進みます。
「症状固定」の場合は、後遺症が軽い場合は「治癒」と同様に示談交渉になりますが、後遺症がある程度残っている場合は、後遺症の認定手続きを行うことになります。
【4 後遺症認定請求をする場合】
治療を半年ほど続けて症状固定となり、後遺症が残った場合、自賠責事務所から後遺症の等級認定を受ける必要があります。
後遺障害のどのような等級が認定されるかにより、後遺症に関する慰謝料と逸失利益まで損害賠償されることになるため、後遺障害はその後の示談交渉の金額に大きく関わる非常に重要なポイントとなります。
後遺症の認定手続きは、医師に後遺障害診断書を記載してもらい、自賠責事務所へ必要書類を提出します。
自賠責手続きでは、すべて書類審査であるため、医師の作成する後遺障害診断書の内容は非常に重要となります。
しかし、どのような書類を用意してどこに提出したらよいか、経験のない被害者は全くわかりません。
相手保険会社が「事前認定」という手続きをしてくれることもありますが、この場合は相手方保険会社がすべてイニシアティブをとって手続きを進めていきます。
そうすると、被害者はよくわからないままに後遺症の手続きが進められてしまい、結果的に希望どおりの後遺症の認定がされない結果になることもあります。
※弁護士に依頼した場合
自賠責の後遺症等級認定を受けるため、必要な内容について医師に後遺症診断書を書いてもらい、直接自賠責へ手続きを行います。
被害者の症状に合わせて、等級認定を受けるために必要な検査について適宜アドバイスいたします。
場合によっては、医師に面談し、意見書の作成をお願いすることもあります。
被害者は、後遺症の等級認定の手続きを弁護士に任せることで、専門的な見地から適切な後遺障害診断書の作成についてサポートを受け、安心して後遺障害の申請を行うことができます。
【5 示談交渉をする場合】
示談交渉が始まると、相手保険会社から、賠償額の提示がされます。
「治療費」「交通費」「慰謝料」についてそれぞれの金額が算出されます。
後遺障害の等級がついている被害者については、「逸失利益」「後遺障害慰謝料」も提示されます。
任意保険会社は、通常は非常に低い基準で賠償額を提示してきます。
被害者としては、保険会社の提示額をアップさせるために、交渉を行う必要があります。
交渉の結果、示談が成立すれば、ようやく被害者に損害賠償額の支払がされます。
通常は、事故から示談金の支払までは半年近くはかかり、場合によっては1年以上かかる場合もあります。
※弁護士に依頼した場合
弁護士は裁判基準での金額交渉を行います。
相手保険会社は被害者本人への提示額よりも賠償額をアップしてきます。
弁護士は任意保険会社と交渉を繰り返すことにより、被害者が多くの賠償金を取得できるようにします。
被害者は多くの金銭賠償を受けることで、交通事故で受けた精神的な苦痛を和らげます。
【6 裁判をする場合】
保険会社との示談がまとまらない場合は、裁判をして決着をつけることになります。
被害者側が妥当な金額の交渉をしていても、保険会社が妥協しないか、過失割合の話し合いがつかないなど、示談がどうしても成立しない場合にそうなります。
また、保険会社が治療費打ち切りをした後も、被害者が治療を継続していると、保険会社から「債務額確定訴訟」や「債務不存在訴訟」が被害者に対して起こされる場合もあります。
裁判になると、すべては証拠を挙げて主張立証をしていく必要があります。
主張が通れば、裁判基準による判決を受けることができます。
この段階になると、被害者本人での対応は困難となりますので、弁護士に依頼することが前提となります。