解決事例
自転車で横断歩道を横断中、信号無視の車にはねられ、脳挫傷、頭蓋骨骨折等の負傷を負った例
1.事故状況
Aさんが、青信号で横断歩道を自転車で走っていたところ、赤信号を無視して直進してきた車に衝突され、転倒し負傷しました。
Aさんはこの事故で、脳挫傷、急性硬膜下血腫、頭蓋骨骨折、外傷性くも膜下出血の大けがを負い、救急車で病院に搬送され3週間の入院の後通院での治療を余儀なくされました。
2.相談のきっかけ
入院中のAさんに代わり、家族の方が事故の1週間後に当事務所に相談に来られました。Aさんは家族の方から説明を受け、今後の対応を弁護士に委任されました。
3.弁護士の活動
Aさんは負傷箇所が多く、治療に相当な費用が発生します。事故直後の警察の事情聴取において、加害者は赤信号での交差点進入を認めておらず、加害者側の保険会社は被害者の過失が大きいとして、治療費の支払いを拒否していました。Aさんはやむを得ず、労災を申請してこの入院費用を支払うことにしました。
その後弁護士は、自賠責保険の手続きをして、労災以外の通院治療費や休業損害、慰謝料の支払いを受けました。
事故後約6か月でAさんは症状固定となり、弁護士は後遺症診断書、診療記録、画像データなどの資料を揃え、自賠責調査事務所に後遺障害認定の申請を行いました。提出した頭部の画像に、脳挫傷痕が認められ、「局部に頑固な神経症状を残すもの」と判定され、12級に該当するとされました。
この結果を受けて、弁護士は加害者側の保険会社と損害賠償についての交渉を開始しました。その後の警察の捜査により、事故現場付近の防犯カメラに記録されていた映像で、加害者が赤信号で交差点に進入したことが明らかになっており、刑事裁判では加害者は全面的に自分の過失を認めていました。
4.弁護士関与の成果
Aさんはパート社員でしたが、将来的に正社員となって収入がアップする可能性が高いとして、逸失利益の算出に使う基礎収入金額は、全女性労働者平均を基準にして算定することができました。
保険会社は労働能力喪失期間について争いましたが、頭部外傷による脳挫傷痕が残存することから、将来の業務に支障をきたすので、交渉の結果、労働能力喪失期間は15年としました。
その結果、損害賠償額は治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料の合計で1000万円を越える金額で示談が成立し、Aさんとしても納得できる金額となりました。
損害賠償金額の内訳は
治療費、交通費等 | 121万円 |
休業損害 | 64万円 |
後遺障害逸失利益(14% 15年) | 503万円 |
入通院慰謝料(重症基準) | 100万円 |
後遺障害慰謝料(12級) | 280万円 |
小計 | 1068万円 |
5.弁護士の所感
Aさんのように、青信号で横断歩道を渡っていて車に衝突され、命にかかわるような大怪我を負ったのに、加害者が無過失を強く主張した場合、怪我の痛みのほかにやり場のない怒りが募ります。
Aさんの御家族は、加害者側の保険会社に治療費の支払いを拒否され、途方に暮れて相談に来られたので、受任後の手順を丁寧に説明し、不安感をなくしてもらうようにしました。
Aさんの治療中に、警察の適切な捜査でAさんの無過失が判明し、Aさんの主張が正しかったことが証明されたのは何よりでした。
警察や検察から所定の手続きにより入手した捜査や裁判の資料も使い、相手方保険会社と厳しい交渉の結果、最終的に納得できる賠償金額を得ることが出来て、Aさんにも納得して頂く結果となりました。
高の原法律事務所
所長 坪田 園子
代表弁護士である坪田園子は、「顔の見える関係」を何より大切にしております。依頼者とは、必ず直接お会いして、お話をじっくりとお伺いしたうえで事件をお受けしております。奈良の高の原という奈良の郊外で、地域密着の依頼者対応をモットーとしております。最初は不安な顔で相談に来られた方も、無事に解決した後は、笑顔になって帰られます。一人でも多くの方の笑顔が見られるように精進致します。ぜひお気軽にご相談をくださいね。