道路に面した店舗に入るため減速したところ後ろの車に追突され負傷、14級の後遺障害が認定された事例 ｜奈良の交通事故弁護士相談 高の原法律事務所

１．事故状況

Aさんが道路左側の店舗敷地に入るため減速したところ、後ろから来た車に追突されました。

Aさんは、頚椎挫傷、肩甲部挫傷、右肩関節周囲炎の傷害を負いました。この事故でAさんは、右首から肩への痛みが残り、右手が上がらない等の症状が続き、整形外科での治療を続けましたが、事故から7か月後に症状固定しました。

２．相談のきっかけ

事故から2か月後に、Aさんは前に当事務所のホームページを見て、弁護士に相談に来られました。

弁護士と面談の後、Aさんは任意保険の弁護士特約を使い、加害者側保険会社との今後の交渉を弁護士に委任されました。

３．弁護士の活動

弁護士は加害者側保険会社の担当者に連絡を取り、事故に関する書類一式を請求しました。

弁護士はAさんと加害者側保険会社との間に立ち、治療についてのお互いの要望を伝えたり調整したりしました。

症状固定が近づいたころには、後遺障害認定申請を考慮して、診療機関での頸部のMRI撮影をするようにアドバイスをしました。

事故から７か月後に、頸部に痛みが残り特に首を回すと疼痛がある状態で症状固定となりました。

弁護士は、後遺障害診断書、MRIやレントゲンの画像および画像所見等の資料を揃え、自賠責調査事務所に対し後遺障害認定の被害者請求を行いました。

弁護士はMRI画像では椎間板膨隆が認められていて、Aさんの頸部の痛みはこれによるものであり、後遺障害は「局部に頑固な神経症状を残すもの」として、12級に該当すると主張しました。

自賠責調査事務所は弁護士の主張に対し、右肩の後遺症は「局部に神経症状を残すもの」として１４級9号に該当するとしました。

４．弁護士関与の成果

Aさんの後遺障害等級の認定を受けて、弁護士は加害者側保険会社と損害賠償についての示談交渉を行いました。

治療期間や通院日数を基に算出する通院慰謝料について、加害者側保険会社の提示額はかなり低いものでしたが、弁護士は治療期間の長さを主張し大きな金額アップを得ました。

交渉の結果、損害賠償金は総額で７１万円アップとなり、治療費、交通費を除いた手取り金額としては５３％のアップとなりました。

損害賠償金の内訳

５．弁護士の所感

後遺障害慰謝料について、加害者側保険会社は被害者が自ら示談交渉をする場合は、通常１４級で７５万円を提示します。弁護士が示談交渉をすると弁護士基準で提示されるので金額が１１０万円になります。

このように、だれが交渉するかによって損害賠償金額の算出方法が異なる場合もあるので、損害賠償金額も大きく変わることもあります。

被害者が任意保険の弁護士特約に加入されているのであれば、ためらわずに弁護士に示談交渉を委任されるのが得策です。

損害賠償金額の算出方法の違いに加え、弁護士は被害者が有利になるようにいろいろな角度から検討して加害者側保険会社との示談交渉を行います。

被害者にとっては、精神的なストレスなしにより正当な損害賠償金を受け取るために、弁護士に示談交渉を委任することが得策です。