解決事例
歩行中に後ろから来た車のミラーに後頭部を追突され負傷し、14級の後遺障害が認定された事例
1.事故状況
Aさんが舗装工事をしている歩道の脇を歩いていたところ、後ろから来たシャトルバスのミラーに後頭部を追突されました。この衝撃で、Aさんは頭部打撲、頚椎捻挫、腰椎捻挫の傷害を負いました。
Aさんは整形外科での治療を続け、事故から7か月後に症状固定となりました。
2.相談のきっかけ
事故の4か月後に、Aさんはインターネットを検索して当事務所のHPを閲覧されました。HPの内容を見て、Aさんは当事務所を訪問して弁護士にこの事故の対応を相談されました。
Aさんは弁護士のアドバイスを受け、この事故についての今後の対応について弁護士に委任されました。
3.弁護士の活動
事故から6か月経過したころ、加害者側保険会社は治療費の支払いを打ち切ると通告してきたので、弁護士は治療継続の必要性を伝え、治療費の支払いを1ヶ月延長させました。
Aさんの症状固定に先立ち、弁護士はAさんに、診療機関から受領する後遺症診断書や画像データについてアドバイスをして、自賠責事務所への後遺障害認定申請が円滑に行われるように準備をしました。
Aさんの症状固定後、弁護士は必要な書類を整えて自賠責事務所へ後遺障害認定申請を行いました。
画像データから、弁護士はAさんの頚椎や腰椎に神経根症状がみられることや、頸部の運動制限が継続していることなどから、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として14級の後遺障害に該当すると主張しました。
自賠責調査事務所は、Aさんの頸部・腰部の障害や痛みについて、「局部に神経症状を残すもの」として14級の後遺障害に該当すると判断しました。
後遺障害の認定に伴い、弁護士は加害者側保険会社と損害賠償の示談交渉を開始しました。
事故の時、Aさんは専門職に就くための専門学校に通学していたため、弁護士は逸失利益を将来の専門職を前提に算出しました。これに対し、加害者側保険会社は逸失利益を肯定しつつも、非常に低い金額を提示してきました。弁護士が計算の基準とした年間所得金額に対して加害者側保険会社の年間所得金額が著しく低いため、弁護士は算定の根拠となる資料を示して根拠の正当性を強く主張してこれを認めさせました。
また、労働能力喪失期間も標準の5年を認めさせました。
後遺症慰謝料については、加害者側保険会社が示談による和解として弁護士基準の80%を提示したのに対し、100%を主張して認めさせました。
4.弁護士関与の成果
加害者側保険会社提示額 | 和解額 | |
治療費、交通費等 | 84万円 | 85万円 |
通院慰謝料 | 76万円 | 95万円 |
逸失利益(5%) | 40万円(3年) | 105万円(5年) |
後遺障害慰謝料(14級) | 88万円 | 110万円 |
288万円 | 395万円 |
弁護士の交渉により、治療費、交通費等を除いた手取りの金額は、204万円から310万円と106万円(約52%)の増額になりました。
5.弁護士の所感
Aさんは学生でしたが、事故直後は学校を暫く休まねばならず、その後も後遺障害のため学業に支障をきたすこともありました。
損害賠償金には、事故の後遺障害による逸失利益の補償も含まれますが、定められた割合と期間で計算されるので、被害者にとっては納得できるものでない場合も多々あると思われます。
弁護士は、法律や基準を適用する中で被害者の立場を理解し、可能な限り被害者の損害が補償されるように努めています。
高の原法律事務所
所長 坪田 園子
代表弁護士である坪田園子は、「顔の見える関係」を何より大切にしております。依頼者とは、必ず直接お会いして、お話をじっくりとお伺いしたうえで事件をお受けしております。奈良の高の原という奈良の郊外で、地域密着の依頼者対応をモットーとしております。最初は不安な顔で相談に来られた方も、無事に解決した後は、笑顔になって帰られます。一人でも多くの方の笑顔が見られるように精進致します。ぜひお気軽にご相談をくださいね。