コラム
交通事故後のリハビリは重要!リハビリ期間中の損害賠償について弁護士が解説!
2024.04.29 損害賠償交通事故による身体的な損傷は骨折やむちうち、捻挫、挫傷などが代表的ですよね。
こういった外傷は、しっかりとリハビリを行わなければ神経や靭帯などに後遺症が残ってしまうこともあります。
そこで今回は高の原法律事務所の坪田弁護士に、交通事故後のリハビリの重要性や、リハビリに関する損害賠償・慰謝料請求などについてお聞きしました。
交通事故後のリハビリの重要性
ーーリハビリはどういった目的で行われるのですか?
リハビリを行うことで筋肉の緊張が緩和されたり、血液循環が促進されたりして事故による身体症状の痛みが軽減されます。
むちうちなどは放置すれば症状が悪化していき、社会生活や日常生活に支障をきたすことになります。
むちうちをはじめ、事故による頸椎や腰椎など神経が通ってる所の損傷は症状が長期化しやすいです。
場合によっては、めまいや肩こり、頭痛や吐き気などに長期間悩まされることになります。
そのためリハビリで症状の悪化を防ぎ、痛みを緩和しつつ快方に向かうことが重要です。
ーーリハビリのポイントはなんでしょうか?
一番大切なことは早い段階で治療を開始することです。
むちうちなどは後から痛みが強くでることもあります。
症状が軽めでも、なるべく早くかつ間隔を空けずに治療を続けていきましょう。
リハビリテーションの流れと方法
ーー リハビリを行うまでの流れについて教えてください。
交通事故からリハビリまでは下記の流れです。
- 1.保険会社へ治療の連絡を入れることで、保険会社から病院に治療依頼の連絡がいきます。
- 2.問診や医師による検査(レントゲン検査、エコー検査等)を行います。
- 3.医師の診察を受け、治療方針を決定していきます。
- 4.医師の指示に従ってリハビリを開始します。
ーー 実際にはどういったリハビリの方法があるのですか?
物理療法や運動療法などです。
物理療法は、マッサージや電気療法、超音波療法などが含まれており、痛みの軽減や筋肉緊張の緩和を目指します。
運動療法は、ストレッチやエクササイズを行うことで、筋力や柔軟性の回復を図ります。
リハビリ期間中の費用・慰謝料
ーー リハビリの重要性や方法についてはよくわかりました。
リハビリ期間中に支払った治療費・交通費はどうなりますか?
リハビリ中に支払った治療費はもちろん、通院のための交通費も損害賠償として請求できます。
仕事を休んでリハビリをしていた場合は、休業損害の請求も可能です。
ーーリハビリ期間に応じて慰謝料は変わりますか?
リハビリも入通院同様のため、リハビリ期間は入通院慰謝料の額に考慮されます。
ただし原則としては症状固定までの期間に限られる点は注意しておきましょう。
また整骨院でのリハビリにも注意が必要です。
整骨院は正確には病院ではないため、通院とみなされないことがあります。
整骨院でリハビリを受ける際は、医師の許可を得ていることや、整骨院だけではなく病院にも通い続けることが大切です。
「医師の指示のもと整骨院でリハビリを行った」とのことであれば入通院慰謝料等の対象になる可能性があります。
ーーリハビリ期間に関する慰謝料はいくらでしょうか?
交通事故の慰謝料計算には、
- ・自賠責基準
- ・任意保険会社基準
- ・弁護士(裁判)基準
の3種類があります。
自賠責基準が最低基準となり、弁護士(裁判)基準が最も高額になりやすいです。
目安としては任意保険会社基準の2〜3倍です。
弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算出は、日弁連交通事故センター東京支部発行の「損害賠償額算定基準」に示される「入通院慰謝料算定表」を用います。
軽傷用と重症用の表があり、たとえばむちうちなどの軽傷で半年通院した場合は89万円となります。
症状固定後のリハビリと後遺障害認定
ーー症状固定後は慰謝料額に考慮されないとのことですが、リハビリはやめた方がいいでしょうか?
たしかに症状固定後のリハビリは入通院慰謝料額には考慮されません。
しかし症状が続いて身体がつらければ、リハビリを続けていただいてかまいません。
ただし、症状固定後のリハビリは自費になります。
むちうちなど神経症状が残る場合、後遺障害が認められれば、入通院慰謝料のほかに、後遺障害慰謝料や逸失利益の賠償を得られるので、症状固定後も治療を継続する費用に充てることができます。
リハビリを続けておくことで、後遺障害認定が非該当になった際も異議申し立てをし、症状が残っていることを主張できます。
リハビリの損害賠償請求|弁護士がサポート
ーー交通事故後にリハビリが必要になった際、弁護士に相談すべきですか?
弁護士に相談することで適正額の損害賠償請求や、後遺障害認定のサポートをしてもらえ、受け取れる賠償金の額が増額する可能性は高いです。
賠償金を請求する際には弁護士基準での請求ができたり、認定率が低いといわれる後遺障害認定も専門家による適切なアドバイスで対策できたりします。
もちろんリハビリ以外の点についても、弁護士をたてた方が相手保険会社に対して示談交渉を有利にすすめられますよ。