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解決事例

バイクで走行中、T字路交差点で飛び出してきた車を避けて転倒し負傷、紛争処理機構に申立て、12級の後遺障害が認定された事例

1.事故状況

Aさんが走行中、T字路交差点で左側から前方不注意で車が飛び出してきました。Aさんは衝突を避けるために、とっさに左へハンドルを切りましたがバイクごと転倒し、左肩を中心に身体の左側を地面に打ち付けました。

この事故で、Aさんは左肩腱板断裂、胸部打撲傷、頚椎症性神経根症等の傷害を負いました。

Aさんは頸部痛の症状が改善せず治療を継続しましたが、事故から7か月後に症状固定となりました。

2.相談のきっかけ

Aさんは当初別の弁護士に損害賠償についての交渉を委任されていました。担当弁護士は、自賠責保険に対してAさんの後遺障害による損害賠償を申し立てましたが、後遺症は認定されませんでした。

担当弁護士は、さらに自賠責保険に対して異議を申し立てましたが、異議は認められませんでした。

Aさんはこの結果に納得できず、一縷の望みをかけて当事務所を訪問され、今後の対応を相談された結果、弁護士にこの件の解決を委任されました。

 

3.弁護士の活動

弁護士は、Aさんの診療記録や後遺障害申立の書類を取り寄せ検討しました。弁護士は、資料から争点を纏め、自賠責保険・共済紛争処理機構に対して紛争処理の申請をしました。

弁護士は左肩の可動域の制限について後遺障害が認められるべきと考え、当初の認定の根拠とされた可動域の数値が極めて不適切であったことを指摘し、Aさんの障害は、左肩関節の著しい機能障害として、第10級の「1上肢の3大関節の機能に著しい障害を残すもの」に該当するとしました。また、Aさんの首の痛みは後遺障害12級「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当すると主張しました。

審査を担当した紛争処理委員会では、左肩の可動域の制限について、弁護士が指摘した可動域の測定値について詳細に検討し、左肩関節の可動域は健常者の3/4以下に制限されているとして、関節の機能障害の第12級に該当するとの判断を下しました。

 この結論に対し相手方保険会社は異議を申し立てず、Aさんの後遺障害12級が認められました。

4.弁護士関与の成果

後遺障害が認定されたので、弁護士は相手側保険会社と示談交渉に入りました。

逸失利益では、相手方保険会社が労働能力喪失期間を60歳迄の4年と主張しましたが、弁護士は再雇用最終年までの期間を認めさせました。

通院慰謝料と後遺障害慰謝料については、相手方保険会社は裁判基準の80%を主張しましたが、弁護士は裁判基準の金額を認めさせました。

保険会社提案金額 和解額
治療費、交通費等 133万円 133万円
休業損害 91万円 91万円
通院慰謝料 110万円 137万円
逸失利益 347万円 (14%4年) 796万円 (14%10年)
後遺障害慰謝料(12級)      224万円     280万円
合計 905万円 1437万円

   弁護士の交渉により、損害賠償金額は532万円(約58%)アップしました。治療費、交通費を除外した手取りの金額では約69%アップとなりました。

5.弁護士の所感

自賠責保険の後遺障害認定は被害者にとっては納得がゆかないことがよくあります。X線画像やMRI画像などで障害部が明確に判定できるものでない場合、障害の認定が認められないことが多いのです。むち打ちのような、本人にしかわからない痛みや痺れが認められず、被害者が悔しい思いをすることもあります。

このケースでは、肩の可動域という数字で表されるものが争点になりました。当初の判定では、リハビリ直後の可動域が広くなった時点の数値を拾い上げ、可動域の制限がないという判定を下しました。

このような一時的な数値で判定するのは公正ではないと指摘し、後遺障害診断書の数値で判断すべきであると指摘した結果、当初の結果が覆されてAさんの後遺障害が止められました。

弁護士は、相手方の一方的な過失により後遺障害が残った被害者に対して、できる限りの損害賠償金を認めさせることにより、少しでも先のことを考えられるようになってもらえるように尽力いたします。

弁護士 坪田 園子

高の原法律事務所

所長 坪田 園子

代表弁護士である坪田園子は、「顔の見える関係」を何より大切にしております。依頼者とは、必ず直接お会いして、お話をじっくりとお伺いしたうえで事件をお受けしております。奈良の高の原という奈良の郊外で、地域密着の依頼者対応をモットーとしております。最初は不安な顔で相談に来られた方も、無事に解決した後は、笑顔になって帰られます。一人でも多くの方の笑顔が見られるように精進致します。ぜひお気軽にご相談をくださいね。

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