コラム
交通事故の被害者支援団体とその活動:情報提供から法的支援まで
2024.06.18 交通事故の基礎知識交通事故は心身ともに深い傷を負ってしまうものです。
一人で辛い思いを抱えたり、どこに相談していいかわからず途方にくれたりしないよう、日本にはさまざまな被害者支援団体があります。
公的機関も交通事故被害者をサポートしており、無料で相談できるところもあります。
そこで今回は、高の原法律事務所の坪田弁護士に、交通事故の被害者支援団体についてや、活動内容を解説してもらいました。
交通事故の被害者支援団体
ーー 交通事故の被害者支援団体はけっこうあるのですか?
はい。有名なところでは、
- ・交通事故被害者支援センター
- ・交通事故被害者家族ネットワーク
- ・NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)
- ・交通事故被害者サポート事業(警視庁)
などがありますね。
それぞれの機関や団体についてもう少し解説しますね。
交通事故被害者支援センター
交通事故被害者支援センターは、経済的や精神的に辛い思いをしている交通事故被害者とその家族を支援するための法人です。
交通事故に関する無料相談や、損害賠償の手続き・方法等など具体的な指導・支援活動に関する事業を行っています。
交通事故被害者家族ネットワーク
交通事故被害者ネットワークもあります。
主な活動内容としては相互支援体制AIDを掲げており、
- ・「今」に応じたタイムリーな情報提供
- ・裁判支援&傍聴支援
- ・弁護士による「無料法律相談会」の開催
- ・交通事故に関する「勉強会」「講演会」等の開催
- ・インターネットを活用した「情報発信」と「コミュニケーション」
を行っています。
また、YouTubeなどでサポートや講演会についての動画配信も行っています。
NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)
独立行政法人自動車事故対策機構NASVAは、自動車事故の発生防止や被害者への援護のために「守る」「防ぐ」「支える」をモットーとした事業を展開しています。
被害者支援については「支える」の理念に基づいて、
- ・介護料の支給や医療施設の設置・運営による重度後遺障害者への援護
- ・育成資金の無利子貸付や友の会の運営・家庭相談による交通遺児等への援護
を行っています。
なお、NASVAは National Agency for Automotive Safety & Victims’ Aid の略であり、特徴的なシンボルマークがあります。
交通事故被害者サポート事業(警視庁)
交通事故被害者サポート事業は、平成28年に内閣府から警視庁に業務委託されました。
交通事故被害者が辛い思いや苦しい思いから立ち直って、再び歩みだせるような環境を醸成し、交通事故被害者等の権利利益の保護のために存在しています。
具体的な事業内容は、シンポジウムの開催などです。
情報提供から法的支援まで受けられる公的な相談機関
ーー 被害者支援団体は多くあることがわかりました。各自治体でも交通事故被害者の方に情報提供を行っていますよね?
そうですね。
公的な相談機関もあり、下記のような場所では、情報提供はもちろん、法的支援も受けられますよ。
- ・交通事故相談所
- ・公益財団法人日弁連交通事故相談センター
- ・一般社団法人日本損害保険協会
それぞれについて解説しますね。
交通事故相談所
各都道府県に設置されている交通事故相談所では事故全般に関する相談ができます。
過失割合や損害賠償などの法的なことについても相談可能です。
問い合わせ先は、住んでいる都道府県、市区町村の交通事故担当部署にご確認ください。
もちろん利用料はかかりません。
各自治体は国土交通省のこちらのページから確認できますよ。
公益財団法人日弁連交通事故相談センター
日弁連交通事故相談センターでは、弁護士が無料で相談に乗ってくれるサービスを展開しています。
相談料金がかからないのは、国からの補助金等で運営しているからです。
北海道から沖縄まで全国に154か所の相談所があるため、近くの相談所に電話をすればOKです。
たとえば相手とトラブルなどになってしまい、損害賠償の示談が進まないといった場合には、弁護士が間に入ってくれます。
また後遺障害認定や保険会社からの賠償額提示が適当かなどについてもアドバイスをしてもらえます。
5回までは無料で利用できるので、法的支援が必要な際には強い味方になってくれるでしょう。
電話相談 | 0120-078325(無料) |
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面談相談予約 | https://n-tacc.or.jp/mensetsu |
一般社団法人日本損害保険協会
一般社団法人日本損害保険協会には、一般的な損害保険に関する相談が無料でできます。
たとえば損害賠償額などについて保険会社とトラブルになった際は、間に入って解決のための支援を行ってくれます。
窓口の「そんぽADRセンター」へは電話で相談が可能です。
電話番号 | 0570-022808(そんぽADRセンター) |
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利用可能時間 | 月から金曜日(祝日・休日および12/30〜1/4を除く) 午前9時15分〜午後5時まで/td> |