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コラム

自転車と車の交通事故の過失割合とは? 自転車の過失や事故での対応について解説

2025.02.25

自転車と車の交通事故では、自転車にも過失割合が認められるケースが多いです。自転車の過失の考え方や事故での保険会社との交渉方法について解説します。
 

自転車と車の交通事故では自転車にも過失がある? 自転車の過失割合について解説します

自転車事故は車同士の交通事故とは少し異なる特性があります。
自転車は軽車両に位置づけられているため、車との事故でも自転車側にも過失が認められるのが一般的です。
ただ、交通事故の態様や状況によっては、自転車側は歩行者とほぼ同じ位置づけにすべきこともあります。
交通事故の態様や状況により、自転車側の過失割合が大きく異なるため、弁護士への相談や依頼が必須と言えます。
自転車と車の事故における過失割合の考え方や注意点について解説します。
 

道路交通法における自転車の位置づけ

自転車に乗っていて自動車にはねられるといった状況の自転車事故に遭遇した場合は、自動車側が100%悪いと思う方もいるかも知れません。
そう考えてしまうのは、自転車を歩行者と同様に捉えているからでしょう。
しかし、自転車は道路交通法では、軽車両に位置づけられており、自転車を乗る際のルールも決められています。
自動車と同様に自転車を運転する際は相応の注意を払う必要があり、注意義務を怠ると過失があることになります。
そのため、大半の交通事故では、自転車にも過失があると認定され、過失相殺されることが多いです。
 

自転車と車の事故における過失割合の考え方

自転車事故で車が絡む交通事故では、自転車に過失があるにしても、自転車側が有利になるのが一般的です。
その理由を見ていきましょう。
 

自転車は複雑な動きをする

自転車は車と違い、比較的自由自在に動き回れるため、複雑な動きをすることがあります。
そのため、車側は、自転車が前方を直進していても、突然、左折、右折したり、センターライン側に進入する等、予測不能な動きをすることがありうる点を考慮して運転しなければなりません。衝突を避けるために車側の注意義務が高くなります。
 

自転車の運転者は大きなダメージを受けやすい

車が絡む自転車事故だと自転車の運転者は深刻なダメージを受けがちです。
自転車は小さくて不安定ですし、運転者の身体を防護する機能がありません。ほぼ無防備の状態で運転しているので転倒した場合は、大きな衝撃を受けます。
ヘルメットが努力義務になっていますが、被っていないこともありますし、被っていても、ダメージが大きいことに変わりはありません。
そのため、車側には衝突を避けるために高い注意義務を以って走行することが求められます。
 

児童や高齢者が自転車に乗っていることもある

自転車は運転免許なしでも乗れるため、高齢者はもちろん、13歳未満の児童や6歳未満の幼児が乗っていることもあります。走行が不安定だったり、信号をよく見ていないこともあり得ます。子どもだと、左折や右折のウインカーを出しても分からないこともあります。
こうした人達が運転している場合は、車側には衝突を避けるために特に高い注意義務を以って走行することが求められます。
 

自転車と車の事故で自転車側の過失割合が小さいケース

自転車と自動車が絡む事故では、過失割合は自転車の方が小さいのが一般的です。修正要素があればさらに自転車側の過失割合が小さくなります。
自転車側の過失割合が小さくなるケースは次のとおりです。
 

  • ・児童等や高齢者が自転車を運転していた場合
  • ・横断歩道や自転車横断帯を通行中に車との事故が発生した場合
  • ・道路幅が狭い場所での車との事故の場合
  • ・住宅街や商店街での車との事故の場合
  • ・車が大型車の場合
  • ・車に重過失や著しい過失がある場合

 
こうしたケースでは基本的な過失割合から修正要素として、自転車側の過失が引かれることも多いです。
 

自転車と車の事故で自転車側の過失割合が大きいケース

自転車側が青切符の対象となるような交通ルール違反を犯していたケースでは、車との事故でも自転車側の過失割合が大きくなりがちです。
 
自転車は運転免許無しで運転できますが、道路交通法に基づいて、一定のルールを守らなければなりません。
道路交通法の改正により、自転車の交通違反でも青切符や赤切符(交通切符)の対象になったので注意しましょう。
 
なお、自転車で青切符の対象となるのは、16歳以上の利用者です。
113の違反行為が対象となっていますが、主な違反行為は次のようなものです。
 

  • ・信号無視
  • ・徐行せず歩道通行
  • ・一時不停止
  • ・携帯電話を使用しながらの運転
  • ・通行区分違反
  • ・自転車の通行が禁止されている場所の通行
  • ・遮断機が下りている踏切への立ち入り
  • ・傘差し運転やイヤホンを聴きながらの運転
  • ・ブレーキが利かない自転車の運転

 
こうした交通ルール違反を犯している自転車が車との自転車事故に巻き込まれた場合は、過失割合は自転車の方が大きくなりがちです。
また、次のような場合も、自転車側の過失割合が大きくなります。
 

  • ・夜間における車との事故の場合
  • ・見通しが悪い交差点での車との事故の場合
  • ・自転車側に重過失や著しい過失がある場合

 
なお、自転車側に重過失や著しい過失があるケースとしては、酒気帯び運転、二人乗り、無灯火運転、傘を差しながらの運転、脇見運転、スマホを使用しながらの運転などが挙げられます。
 

自転車と車の交通事故に遭った場合の対処方法

車同士の事故であれば、警察を呼んだり救急車を呼ぶといった対応になりますが、自転車と車の交通事故だと、その点が疎かになりがちです。
自転車と車の交通事故に遭った場合、特に自転車側はどのように対処すべきなのか確認しましょう。
 

警察への通報や届出を行う

交通事故に遭った場合は、道路交通法に基づき警察への報告や届け出が義務付けられています。
自転車と車の事故だと、自転車の運転者側が負傷している可能性が高いですが、軽症の場合は、警察沙汰にすると面倒だからということで、その場での示談で済ませてしまうこともあるかもしれません。
しかし、警察への通報を行わない事自体が罰則の対象となっているので注意しましょう。
 

自転車の運転者側は速やかに病院へ行く

自転車と車の交通事故のケースでは、自転車の運転者側が負傷するのが一般的なので、救急車を呼んで病院に搬送してもらうべきことが多いでしょう。
仮に、運よく軽症で済んだとしても、病院で治療を受けることが大切です。
交通事故で擦り傷程度のケガで済んだように見えても、事故から数日経ってから、様々な症状が出てしまうこともあります。
交通事故直後は自覚症状がなくても、念の為、病院に行ってしっかりと医師の診察を受けることが大切です。
 

自転車保険への加入の有無を確認する

自転車と車の交通事故では、自転車の運転者側が被害者になることが多いですが、自転車側に過失がある場合は、相手方から損害賠償請求を受けたり、過失相殺を主張されることがあります。
このような場合は、自転車保険に加入していれば、保険会社が示談を代行してくれることもあります。
そのため、どのようなプランの自転車保険に加入しているのか確認しましょう。
 

自転車と車の交通事故に遭った場合にやってはいけないこと

自転車と車の交通事故に遭った場合にやってはいけないことを確認しましょう。
 

警察に通報しない

自転車と車の交通事故が発生しても自転車側が大したケガを負っていない場合は、警察に通報するのは面倒だからということで、警察に通報しないこともあるかもしれません。
この場合、交通事故が発生した事自体を証明できなくなってしまいます。
後遺症が出たとしても、加害者側に治療費を請求できなくなる可能性があります。
保険金などを請求するにしても、自転車事故に遭遇したことを警察が作成する資料などで証明しなければなりません。通報していない場合、その資料もないので保険金も請求できなくなります。
 

物損事故ではなく人身事故で届ける

警察に届けるにしても、事故態様を物損事故とすることは極力避けるべきです。
物損事故ならば、自転車の運転者にはケガがないものとされ、仮に後で後遺症が出ても、車の運転手に対して、治療費や慰謝料を請求できなくなる可能性があります。
自転車だけがはねられたというケースでない限り、自転車と車の事故は人身事故で届けるべきです。
 

その場ですぐに示談する

自転車と車の交通事故で、自転車の運転者側のケガの程度が軽症の場合、車の運転手側が、その場でいくらか払って、「示談しましょう」と申し出てくることもあるかもしれません。
額によっては、その場で示談したほうが得かもと思ってしまうかもしれません。
でも、自転車事故の怪我は思わぬ後遺症を伴うこともあります。
医師の診察を受けたら、入院が必要と言われたり、後遺障害が残ってしまうこともあります。
このような場合、軽々しく示談に応じていると、入院にかかった費用や治療費を相手方に請求できなくなるおそれがありますし、後遺障害等級認定を受けられなかったり、慰謝料を請求できなくなるおそれがあります。
そのため、示談は、自転車事故で負った怪我が治癒してから行うのが基本です。
 

病院にいかず放置する

自転車と車の交通事故では、自転車の運転者側が転倒するなどしてケガを負ってしまうのが一般的です。
単純にころんだだけでも、骨折したり、頭を打つなどして、重症を負っている可能性があります。
自分では大したことがないと思っていても、翌日には耐えられない痛みが出てしまうこともあります。
また、その怪我が自転車事故によるものなのか、他の理由によるものなのかは、自転車事故の直後に、すぐに医療機関を受診しないと判断できないので、加害者側に治療費や慰謝料を請求することが難しくなるおそれがあります。
こうした事態を避けるためにも、自転車の運転者側は、事故の直後に速やかに病院で診察を受けることが大切です。
 

自転車事故への備えに自転車保険に加入すべき

自転車事故への備えには、自転車保険への加入が有効です。
自転車保険に加入しておくことで、自転車側が加害者となった場合の損害賠償に供えられることはもちろん、自転車の運転者が怪我をしたときの備えとすることもできます。
自転車保険の内容は次のとおりです。
 

個人損害賠償責任補償

自転車側が加害者となった場合に保険会社に相手方への損害賠償金を支払ってもらうための保険です。自動車の対人・対物賠償責任保険に相当します。
自転車事故で歩行者が死亡した場合などは、損害賠償金が1億円近い金額になることも珍しくないため、限度額を1億円以上に設定することが望ましいとされています。
 

傷害補償

自転車事故で自転車を運転している人が怪我をした場合に保険金が支払われるというものです。
車が絡む自転車事故では、大抵は車側の過失が重いため、加害者側の任意保険会社が入院費や治療費を負担します。
加害者が無保険の場合は、十分な補償を受けられない可能性もあるので、傷害補償もあったほうが良いです。
 

示談代行サービス

自転車事故で自転車側にも過失がある場合は、相手方の任意保険会社との示談が必要になります。
その際、示談代行サービスが付されていれば、自転車保険の保険会社が示談を代行してくれます。
 

弁護士費用特約

自転車事故で示談代行サービスが使えない場合や加害者側の任意保険会社から示された示談金に不満がある場合、さらに、重い後遺障害を負ったために、後遺障害等級認定を受ける必要がある場合は、弁護士への相談や依頼が必要になります。
その際、弁護士費用特約が付されていれば、弁護士に相談したり依頼する費用を保険会社に負担してもらうことができます。
 

自転車と車の事故における過失割合の交渉方法

自転車の運転者がケガを負って入院している場合は、入院費用や治療費などを車の任意保険会社が負担します。
ただ、車との自転車事故だと自転車側にも過失があるのが一般的なので、車側の任意保険会社は、過失割合を主張して示談金の額を減額することも少なくありません。
過失割合の根拠として、任意保険会社は交通事故の事例や判例を示すことが多いです。そのような資料を基に、今回の交通事故の過失割合はこうなりますと示されると、一般の方では、納得できなくても反論できないこともあります。
このような場合は、弁護士に相談し、任意保険会社が示す過失割合が適切なのかどうか判断してもらうことが大切です。
 
示談金の額が少ない場合は、弁護士に相談したり、示談交渉を依頼することによる費用倒れが心配になると思いますが、自転車保険に弁護士費用特約が付されていれば、その心配はありません。
 

自転車と車の事故における過失割合に不満なら弁護士に相談してください

自動車同士の事故と同様に、車との自転車事故でも自転車の運転者側は弁護士に相談する必要性が高いです。
自転車側は自転車保険に加入していないケースもあるので、車側の任意保険会社が強い態度に出てくることもあります。
被害者側に交通事故の示談のプロがいないのをいいことに、基準よりも大きい過失割合を押しつけてくることもあります。
こうした事態を避けるためにも、自転車側も弁護士に相談したり依頼し、示談交渉を行ってもらうことが大切です。
 
自転車と車の事故で悩んでいることや困ったことがある方は、早めに弁護士にご相談ください。

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