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骨折

目次

骨折の症状

交通事故で受傷し骨折が生じた場合、以下のような症状が出てきます。
 

1 全身症状

通常の骨折では全身がショックに陥ることは稀ですが、大きな交通事故で損傷が高度で大量出血を伴う場合や、骨盤や大腿骨の骨折で転位(ズレ)が大きいばあは、出血性ショックに陥ることがあります。
 
骨折の程度に比較して全身ショックが大きく、悪化する場合は、他の内臓損傷、特に肝臓や脾臓などの腹部臓器も損傷している可能性があります。
 

2 膨脹

骨折後は、血腫と炎症による浮腫により骨折部は膨脹します。
受傷後3日までが最も膨脹が著しくなります。
 

3 疼痛、圧痛

骨折部には自発痛があり、骨折部を動かすと疼痛が増大します。
 

4 機能障害

骨折が起こると、身体を動かす力が正常に伝達されず、また骨折の痛みも伴うことから、骨折した部分を動かせず、機能障害が生じます。
特に関節内骨折では、関節血症による著しい膨脹が生じ関節運動が制限されます。
 

5 変形

転位(ズレ)の状況により、骨の回旋、屈曲、短縮などの様々な変形がみられます。
 

6 異常可動性

完全骨折では、骨が折れることでその部分が異常な可動をすることになります。
 

骨折の分類

交通事故で、骨折が生じることがありますが、以下のような分類ができます。
 

1 部位による骨折の分類

(1)長骨の骨折

①骨幹部骨折
骨幹部を骨折したもの
 
②骨幹端部骨折
骨幹部の端部分を骨折したもの
 
③骨端部骨折
長骨の端部分を骨折したもの
 

(2)関節内骨折

骨折線が純粋に関節内に限られる骨折
 

(3)脱臼骨折

脱臼に骨端部骨折を合併するもの
 

2 外力の作用方向による骨折の分類

(1)屈曲骨折

骨に直達あるいは介達的に屈曲力が加わって生じます
 

(2)圧迫骨折

縦軸方向の圧迫力による骨折で、脊椎椎体骨折に代表されます。
 

(3)剪断骨折

剪断力により生じる骨折です。
 

(4)捻転骨折

体重をかけたまま上体を捻った場合や、投球動作などで強い捻転力が上腕骨に加わった場合に生じます。
 

(5)裂離骨折

筋肉の瞬間的な収縮によって生じる骨折です。
 

3 骨折線の走行による骨折の分類

(1)横骨折
(2)斜骨折
(3)螺旋骨折

捻転骨折は螺旋骨折になりやすい性質があります。

(4)粉砕骨折

骨折線が複数存在し、骨片の多いものをいいます。
 

上肢の骨折

交通事故では、特にバイクで転倒した場合や、歩行中に交通事故にあった場合など、上肢が骨折することがあります。
 
ひとことで「上肢」といっても、人体は多くの骨と筋肉の集合でできています。
 
まず、首から肩にかけて「鎖骨」、肩からひじにかけては「上腕骨」、ひじから手首にかえては「橈骨(とうこつ)」と「尺骨(しゃっこつ)」、手首から先は親指から小指のそれぞれに細かい骨が結合しています。
 
交通事故では、事故の態様によって、これらの上肢のさまざまな部位で骨折します。
上腕骨や橈骨、尺骨などの太い骨の場合は、骨の骨幹部が折れることは多くはありませんが、骨の端(骨端部)が骨折してひびが入ったりすることがあります。
 
また、バイクのハンドルを握っていた手に事故の衝撃が走ったり、転倒した際に手のひらを地面に打ち付けたりしたような場合に、手首にダメージが及んで手根骨を損傷することもあります。
 
このように、上肢の骨折はいろいろなケースがありますが、骨折した場合は、後遺症として骨折部に痛みが残ったり、関節の可動域が狭くなることもあります。
このような場合は、後遺障害として、等級認定の対象となります。
 

肩関節部の骨折

交通事故で、人や自転車が車と衝突して転倒した場合など、肩関節部を骨折することがあります。
 

1 鎖骨骨折

肩を下にして転倒した場合などに発生し、交通事故の骨折の中でも発生頻度が非常に高いものです。
鎖骨が骨折すると、腫れて非常に強い痛みがあります。
レントゲンで、骨折の診断をします。
 

2 肩甲骨骨折

発生頻度の低い骨折ですが、地面に肩から叩きつけられたりして肩甲骨に打撃を受けると骨折します。
肩甲骨が骨折すると、強い痛みや膨脹がありますが、呼吸や肩関節運動によって痛みが強くなります。
 

肩関節部の脱臼

交通事故で、自転車と車、車同士の衝突や転倒した場合などに、肩関節部を脱臼することがあります。

1 肩関節脱臼

転倒や転落したり、肩関節をひねったり水平伸展した際に発生し、肩関節から上腕骨頭がはね出された状態となります。
発生頻度の高い脱臼です。
肩関節が脱臼すると、自分で肩を動かすことはできず、強い痛みと膨脹を伴います。
骨折が合併する場合もあります。
 

2 肩鎖関節脱臼

肩関節脱臼に次いで発生頻度の高い脱臼です。
肩に強い外力が加わることで、肩鎖靱帯と烏口鎖骨靱帯が損傷することで発生します。
双方の靱帯が断裂すると脱臼となりますが、烏口鎖骨靱帯が断裂していない場合は亜脱臼となり、双方の靱帯が断裂までいたらない場合は捻挫となります。
肩鎖関節脱臼が発生すると、靱帯断裂により強い痛みや膨脹が発生します。
呼吸や肩関節運動によって痛みが強くなります。
 

手の骨折・脱臼

交通事故で、人や自転車が車と衝突して転倒した場合など、手を骨折したり脱臼することがあります。
 

1 橈骨遠位端骨折

交通事故でバイクや自転車で転倒し手をついたような場合、手首を骨折することがあります。
交通事故では、頻発する骨折です。
転倒して手のひらをついた際に発生する骨折はColles(コリーズ、コレス)骨折、手の甲をついて倒れたときに発生する骨折はSmith(スミス)骨折と大別されています。
骨折すると、手首の激痛と腫れが出て、正中神経麻痺が生じることもあります。
 

2 船状骨骨折

転倒等で手のひらを強くついた時に骨折が生じます。
手首の付け根の骨は手根骨と呼びますが、8個の手根骨のうち、船状骨骨折は最も多い骨折です。
見逃されやすく、また癒合しにくい骨折です。
癒合が遅れたり、近位骨片が壊死に陥る可能性があります。
船状骨骨折により、痛みや腫れの症状があり、運動制限が出てきます。
4方向からのレントゲンで、骨折の診断をします。
 

3 月状骨脱臼

交通事故で転倒し、手のひらを付いたときなどに、月状骨が脱臼します。
月状骨は正常な位置にあり、他の手根骨が転位する場合は月状骨周囲脱臼といいます。
疼痛、運動制限、膨脹が生じますが、手根管症候群を生じることもあります。
 

上肢の骨折による後遺障害

交通事故で、上肢が骨折すると、場合により後遺症が残る場合があります。
以下のような後遺症が通常は後遺障害として出てきます。
 

1 上肢の機能障害

交通事故で骨折後、関節の動きが悪くなり、骨折のない側(健側)に比較して可動域が制限されることがあります。
関節の可動域が、健側に比較して2分の1以下に制限されているものは「著しい機能障害」として10級10号の後遺障害となります。
関節の可動域が、健側に比較して4分の3以下に制限されているものは、「機能障害」として12級6号の後遺障害となります。
この可動域の測り方は、各関節の主要運動の計測値を出して、その左右差を比較します。
肩関節では、主要運動は屈曲か外転運動、肘関節では屈曲と進展運動、手関節で背屈と掌屈運動、前腕では回内と回外運動をいいます。
 

2 偽関節

交通事故で骨折後、固定術が実施されたにもかかわらず、骨折部の骨癒合がすすまず、骨折部が異常可動域を示している状況を「偽関節」といいます。
上腕骨または橈骨と尺骨のそれぞれに偽関節を残し、異常可動性のため、常時硬性補装具を必要とした場合は、「1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」として7級9号の後遺障害となります。
これに対し、常時ではなく物を保持、移動するときに、時には硬性補装具を必要とするものは、「1上肢に偽関節を残すもの」として8級8号の後遺障害となります。
橈骨または尺骨のいずれかに偽関節を残し、硬性補装具を必要としないものは、「長管骨に変形を残すもの」として12級8号の後遺障害となります。
 

3 変形障害

交通事故で骨折後、骨折部は癒合しても、変形癒合することがあります。
整復位不良のまま固定が行われた場合や、整復位が保持できなかった場合などに、変形、回旋、短縮変形が起こることがあります。
上腕骨または橈骨と尺骨のそれぞれが15°以上屈曲変形して癒合した場合は、「長管骨の変形」として12級8号の後遺障害となります。
また、長管骨の回旋変形癒合の場合も、12級8号の後遺障害となります。
 

4 痛み等の感覚障害

骨折部について、正常に癒合した場合も、骨折した部分が痛んだり、不具合が残るときがあります。
骨折により、骨がダメージを受けることで、痛みなどの感覚障害が残ってしまうのです。
そのため、荷物の持ち運びがうまくできないなど、仕事や生活に支障が生じることになります。
レントゲンやMRIの画像で、客観的に骨のズレ等が確認できる場合は、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級13号の後遺障害となります。
これに対し、画像的には確認できない場合は、医学的経過からそのような痛みや不具合が生じることが合理的である場合は、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号の後遺障害となります。
 

5 人工骨頭・人工関節

骨折がひどく人工骨頭または人工関節を挿入置換し、かつ当該関節の可動域角度が健側の2分の1以下に制限されたものは、8級6号の後遺障害となります。
関節可動域の要件を満たさない場合でも、人工骨頭または人工関節を挿入置換したことにより、10級10号の後遺障害となります。
 

6 醜状障害

骨折をすると、開放骨折の場合は皮膚が破れて傷痕が残ることが多く、また手術による術痕や皮膚移植の痕が残る場合があります。
上肢の露出面、すなわち肘関節から下の部分に「てのひら大の醜いあとを残すもの」は14級4号の後遺障害となります。
てのひらは、被害者本人の手のひらの大きさを測定して比較しますので、手のひらが大きい被害者は、後遺障害の認定上不利になります。
複数の瘢痕や線状痕が隣接して存在する場合は、それらの面積を合計して評価します。
 

上腕部の骨折

交通事故で、人や自転車が車と衝突して転倒した場合など、上腕部を骨折することがあります。
 

1 上腕骨近位端骨折

肩から肘関節までの上腕骨のうち、肩関節に近い部分の骨折をいいます。
上腕骨近位は、骨頭、大結節、小結節、骨幹部の4つの部分に分かれ、その部分ごとに骨折の分類がされます。
骨折すると、非常に強い痛みが出て、腕を上げられなくなります。
 

2 上腕骨骨幹部骨折

骨の中央部分を骨折することを骨幹部骨折といい、交通事故で多く発生します。
骨幹部が骨折すると、激痛と腫れの症状があり、腕が動かなくなります。
合併症として、橈骨神経麻痺が発生する場合があります。
 

前腕骨の骨折

交通事故で、人や自転車が車と衝突して転倒した場合など、前腕骨を骨折することがあります。
 

1 橈骨・尺骨骨幹部骨折

前腕骨は橈骨と尺骨の二本で構成されていますが、交通事故で前腕を強打したり、衝撃で手を地面についたりした際、前腕にねじれの力が加わって、橈骨と尺骨の両方が骨折します。
骨折すると、橈骨と尺骨の二本の骨折により激痛と腫れが出て、腕を動かせなくなります。
 

2 尺骨骨幹部骨折

交通事故で前腕を強打したり、衝撃で手を地面についたりした際、前腕にねじれの力が加わって、尺骨の骨幹部が骨折します。
 

肘関節部の骨折・脱臼

交通事故で、人や自転車が車と衝突して転倒した場合など、肘関節部を骨折したり脱臼することがあります。
 

1 上腕骨遠位端骨折

肩から肘関節までの上腕骨のうち、肘関節かそれに近い部分の骨折をいいます。
上腕骨顆上骨折と上腕骨外顆骨折があり、バイクの転倒時の打撲などで肘関節部に強い衝撃を受けるときに発生します。
 
骨折すると、肘関節の痛みは腫れが出て、肘の可動域や運動が制限されます。
 

2 肘頭骨折

肘頭部に直接外力が加わることで発生します。
 
肘頭骨折により、痛みや腫れの症状があり、肘の可動域や運動制限が出てきます。
 

3 橈骨近位端骨折

肘を伸ばした状態で倒れ、外反位の力を受けると、橈骨頭は上腕骨下端に衝突して骨折します。
関節面が縦に骨折したり、粉砕骨折することもあり、上腕骨小頭の損傷を合併することがあります。
バイクに乗っている時の交通事故で、発生します。
 

4 肘関節脱臼

肩関節についで、肘関節の脱臼の頻度は高いです。
バイクの交通事故で転倒して手をついて生じることが多いです。
 

下肢の骨折

交通事故では、バイクで転倒したような場合、下肢の骨折を伴うことが多くあります。
 
バイクでは、人体がまともに事故の衝撃を受けてしまうので、地面やバイクに近い足がダメージを受けやすいのです。
 
足の骨折といっても、いろいろな部位の骨折があります。
骨盤下からひざまでは大腿骨、膝には膝蓋骨(しつがいこつ、いわゆるお皿)、膝から足首までは脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)、足首から足の指までは小さい骨の集合体となっています。
 
太い大きな骨である大腿骨や脛骨、腓骨が骨幹部で折れることもありますが、骨端部にひびがはいったり、欠けたりすることもあります。
 
下肢は、人間にとって、歩行するための大事な部分です。
下肢の骨折後、骨折部の痛みが出たり、関節の可動域に制限が出て、歩行がしずらくなることもあります。
 
そのような場合は、後遺障害として、等級認定の対象となります。
 

下肢の骨折による後遺障害

交通事故で、下肢が骨折すると、場合により後遺症が残る場合があります。
以下のような後遺症が通常は後遺障害として出てきます。
 

1 下肢の機能障害

交通事故で骨折後、関節の動きが悪くなり、骨折のない側(健側)に比較して可動域が制限されることがあります。
関節の可動域が、健側に比較して2分の1以下に制限されているものは「著しい機能障害」として10級11号の後遺障害となります。
関節の可動域が、健側に比較して4分の3以下に制限されているものは、「機能障害」として12級7号の後遺障害となります。
この可動域の測り方は、各関節の主要運動の計測値を出して、その左右差を比較します。
股関節では、主要運動は膝屈曲・進展・外転・内転運動、膝関節では屈曲と進展運動、足関節では背屈と底屈運動をいいます。
 

2 偽関節

交通事故で骨折後、固定術が実施されたにもかかわらず、骨折部の骨癒合がすすまず、骨折部が異常可動域を示している状況を「偽関節」といいます。
大腿骨または脛骨と腓骨の両方、あるいは脛骨の骨幹部に偽関節を残し、異常可動性のため、常時硬性補装具を必要とした場合は、「1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」として7級10号の後遺障害となります。
これに対し、常時ではなく立位や歩行のときに、時には硬性補装具を必要とするものは、「1下肢に偽関節を残すもの」として8級9号の後遺障害となります。
大腿骨,脛骨または腓骨のいずれかに偽関節を残し、硬性補装具を必要としないものは、「長管骨に変形を残すもの」として12級8号の後遺障害となります。
 

3 変形障害

交通事故で骨折後、骨折部は癒合しても、変形癒合することがあります。
整復位不良のまま固定が行われた場合や、整復位が保持できなかった場合などに、変形、回旋が起こることがあります。
大腿骨または脛骨が15°以上屈曲変形して癒合した場合は、「長管骨の変形」として12級8号の後遺障害となります。
また、大腿骨の回旋変形癒合の場合も、12級8号の後遺障害となります。
 

4 短縮障害

下肢の骨折により、短縮障害が生じることがあります。
左右比較して、1下肢を5㎝以上短縮したものは8級5号の後遺障害、3㎝以上短縮したものは10級8号の後遺障害、1㎝以上短縮したものは13級8号の後遺障害となります。
 

5 下肢の動揺関節

バイクで転倒したような場合、骨折とともに膝の靱帯を損傷することで、関節が不安定になる状態が生じ、これを「動揺関節」といいます。
動揺性は、ストレスレントゲンという特殊な撮影を行って、動揺性の程度を客観的に立証することになります。
動揺関節のため「常に硬性補装具を必要とするもの」は、8級の後遺障害に準じ、「時々硬性補装具を必要とするもの」は、10級の後遺障害に準じ、「重激な労働等の際以外には硬性補装具を必要としないもの」は、12級の後遺障害に準じて扱われます。
 

6 痛み等の感覚障害

骨折部について、正常に癒合した場合も、骨折した部分が痛んだり、不具合が残るときがあります。
骨折により、骨がダメージを受けることで、痛みなどの感覚障害が残ってしまうのです。
そのため、階段昇降や歩行がうまくできないなど、仕事や生活に支障が生じることになります。
レントゲンやMRIの画像で、客観的に骨のズレ等が確認できる場合は、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級13号の後遺障害となります。
これに対し、画像的には確認できない場合は、医学的経過からそのような痛みや不具合が生じることが合理的である場合は、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号の後遺障害となります。
 

7 人工骨頭・人工関節

骨折がひどく人工骨頭または人工関節を挿入置換し、かつ当該関節の可動域角度が健側の2分の1以下に制限されたものは、8級6号の後遺障害となります。
関節可動域の要件を満たさない場合でも、人工骨頭または人工関節を挿入置換したことにより、10級10号の後遺障害となります。
 

8 醜状障害

骨折をすると、開放骨折の場合は皮膚が破れて傷痕が残ることが多く、また手術による術痕や皮膚移植の痕が残る場合があります。
下肢の露出面、すなわち膝関節から下の部分に「てのひら大の醜いあとを残すもの」は14級5号の後遺障害となります。
てのひらは、被害者本人の手のひらの大きさを測定して比較しますので、手のひらが大きい被害者は、後遺障害の認定上不利になります。
複数の瘢痕や線状痕が隣接して存在する場合は、それらの面積を合計して評価します。
 

下腿骨の骨折

下腿は外傷を受けやすい部位であり、交通事故では、下腿骨の骨折が多発します。
 

1 脛骨・腓骨骨幹部骨折

交通事故の下腿骨骨折の中で、最も生じやすい骨折です。
バイクや自転車を運転中、交通事故の衝突で打撲した場合などに発生します。
衝突の衝撃が大きい場合は、横骨折や粉砕骨折となります。
骨折すると、激痛と腫れが出て、起立不能となり、異常可動性が出てきます。
下腿の短縮や偽関節を起こす場合もあります。
 

股関節部の骨折・脱臼

自動車の座席に座っていて正面衝突の交通事故で衝撃を受けた時など、はずみで膝が強くダッシュボードに打ち付けられて、股関節部を骨折したり脱臼することがあります。
 

1 股関節脱臼・骨折

座っている状態で、前方から強い外力を受けると、大腿骨頭が関節包を突き破り、後方へ押し上げられます。
この時、股関節の後方脱臼が生じます。
脱臼時、大腿骨頭の骨折を伴うこともあり、この場合は股関節脱臼骨折となります。
脱臼により、痛み、腫れが生じます。
 

2 大腿骨頸部骨折

大腿骨のうち、大腿骨頸部の骨折をいいます。
骨折部が関節包の内側であれば内側骨折、関節包の外側であれば外側骨折といい、高齢者が交通事故で転倒した際に頻発します。
骨折すると、激痛と腫れが出て、起立不能となり、可動域や運動が制限されます。
大腿骨頸部骨折の内側骨折は、最も癒合しにくい骨折としても有名です。
 

3 大腿骨転子下骨折

大腿骨のうち、大腿骨の小転子部から5㎝までの骨折をいいます。
交通事故で大きな衝撃を受けた場合、若年者に頻発します。
 
骨折すると、激痛と腫れが出て、起立不能となり、可動域や運動が制限されます。
 

足関節部の骨折・脱臼

交通事故で足関節部を骨折したり脱臼することがあります。
 

1 果部骨折

足関節に強い外力を受けると、いわゆるくるぶしと呼ばれる部分の脛骨、腓骨の遠位端部分に骨折が生じることがあります。
骨折とともに、靱帯が損傷したり断裂することもあります。
骨折により、下肢関節部に強い痛み、腫れが生じます。
 

2 距骨骨折、脱臼

交通事故で距骨骨折が生じる場合があります。
距骨は踵骨と下腿の脛骨に挟まれているため、自動車のブレーキペダルを踏んだまま正面衝突した場合などに、距骨が圧迫されて骨折します。
圧力が大きいと、果部骨折や距骨の脱臼も合併することがあります。
骨折すると、激痛と腫れが出て、起立不能となります。
壊死、偽関節による機能障害を残すこともあります。
 

3 踵骨骨折

交通事故でかかとを打撲した場合などに起こります。
しばしば、腰椎の圧迫骨折を合併します。
骨折すると、激痛と腫れが出て、起立不能となります。
かかとは体重が最もかかる骨であり、治療終了後も痛みは残ることがあります。
 

4 中足骨骨折

交通事故で、車にタイヤに足を踏まれると、中足骨の横骨折や粉砕骨折が生じます。
骨折すると、激痛と膨脹が生じて、踏ん張ることができません。
 

大腿骨と膝の骨折

交通事故では、大腿骨骨幹部と膝の骨折が多発します。
 

1 大腿骨骨幹部骨折

大腿骨のうち、大腿骨骨幹部の骨折をいいます。
バイクや自転車を運転中、交差点で自動車と出会い頭に衝突して転倒したような場合に発生します。
衝突の衝撃が非常に大きい場合は、粉砕骨折となり、骨は粉々に骨折します。
骨折すると、激痛と腫れが出て、起立不能となり、可動域や運動が制限されます。
骨癒合は良好な骨折ですが、偽関節(骨折部の骨癒合が遅れ、異常可動性を示す状態)を起こす場合もあります。
 

2 大腿骨遠位部(顆上・顆部)骨折

交通事故で車のバンパーやダッシュボードに膝を打ち付けるなどにより発生します。
骨折すると、激痛と腫れが出て、起立不能となり、膝関節の可動域や運動が制限されます。
膝関節の運動制限の後遺症が残る場合が多いです。
 

3 膝蓋骨骨折

交通事故で、車のバンパーやダッシュボードに膝をうちつけることで、膝蓋骨骨折が起こります。
骨折すると、激痛と腫れが出て、膝関節の可動域や運動が制限されます。
膝部の打撲によって、縦骨折、粉砕骨折となることが多くありますが、正確に整復されていれば、一般的には後遺症はあまり残りません。
 

4 脛骨近位端(顆部)骨折

交通事故で膝に強い衝撃が加わった場合、大腿骨顆部と脛骨顆部が衝突しますが、多くの場合脛骨側に骨折が生じます。
単独で生じることは少なく、膝の靱帯損傷や脱臼、膝蓋骨骨折を伴うことが多いです。
関節面にかかる骨折は、脛骨プラトー骨折や脛骨高原骨折と呼ばれることもあります。
骨折すると、激痛と腫れが出て、膝関節の可動域や運動が制限されます。
膝関節の運動制限の後遺症が残る場合が多いです。

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