解決事例
渋滞で停止中に追突され負傷、12級の後遺障害と認定された事例
1.事故状況
Aさんが渋滞で停車していたところ、後ろの車が追突されてAさんの車に玉突きで追突しました。
この事故で、Aさんは脊椎損傷、頚椎捻挫、腰椎捻挫、両肩関節打撲などの傷害を負い、9か月余の治療の後症状固定となりました。
症状固定の後、加害者側保険会社は後遺障害についての事前認定の申請を行い、Aさんは12級の後遺障害と認定されました。
2.相談のきっかけ
Aさんは事故直後に、当事務所のホームページを見て相談に来られました。事故直後なので、まず治療に専念することが先決であり、加害者側保険会社との示談交渉のことは怪我が回復してから考えてもよいと弁護士がアドバイスをしました。
事故から1年後にAさんは症状固定となり、加害者側保険会社から示談金の提示がありましたので、あらためて弁護士にこの事故の示談交渉を弁護士に委任されました。
3.弁護士の活動
加害者側保険会社は、既にAさんの後遺障害について事前認定の手続きで12級の後遺障害等級が認定されていました。
弁護士はAさんの診療記録や診断書を取り寄せ、弁護士としての基準で損害賠償金を算出して加害者側保険会社に提示しました。
弁護士は粘り強く交渉しましたが、加害者側保険会社との金額の隔たりは大きく、合意に至らなかったので、交通事故紛争処理センターにあっ旋を申し立てました。
2回の審査の後、交通事故紛争処理センターから示談あっ旋案が提示されました。弁護士はこのあっ旋案を受け入れてもよいと判断しましたが、相手側保険会社は逸失利益の金額について大きな減額を要求したので、弁護士としては受け入れられず、あっせん示談は成立しませんでした。
弁護士は、交通事故紛争処理センターに審査を申し立てました。3回の審査期日を経た裁定では、あっせん案より高額の損害賠償金額が提示され、弁護士はこれを受け入れ示談交渉は完了しました。
裁定結果に対しては、加害者側保険会社は異議を申し立てることはできません。
4.弁護士関与の成果
弁護士が交通事故紛争処理センターの裁定を申立て、損害賠償金額は当初の加害者側保険会社の提示額から2.3倍となり、金額で635万円アップしました。
損害賠償金の内訳
当初保険会社提示額 | あっ旋案 | 裁定案 | |
治療費、交通費等 | 180万円 | 180万円 | 180万円 |
休業損害 | 25万円 | 126万円 | 109万円 |
逸失利益(12級) | 131万円 | 340万円 | 408万円 |
傷害慰謝料 | 53万円 | 115万円 | 140万円 |
後遺障害慰謝料(12級) | 93万円 | 280万円 | 280万円 |
合計 | 482万円 | 1041万円 | 1117万円 |
5.弁護士の所感
示談交渉においては、最初に加害者側保険会社が提示する示談金額が驚くほど低いことはよくあります。
保険会社は自社独自の社内基準で損害賠償金額を算定しますが、この社内基準の金額は、弁護士基準、裁判基準に比べて低額です。従って、最初に加害者側保険会社が提示する示談金額は被害者にとっては到底受け入れがたいのは当然です。
弁護士に示談交渉を委任すると、弁護士は弁護士基準で損害賠償金額を算定し、加害者側保険会社と交渉しますが、折り合いがつかない場合があります。このような場合、すぐに裁判に訴えるのではなく、公益社団法人である交通事故紛争処理センターに示談あっ旋を申し立てることがあります。
交通事故紛争処理センターは、保険会社と被害者の双方の主張を聞いて、あっ旋案を提示します。両者があっ旋案を受け入れれば示談は成立しますが、そうでない場合は審査会に裁定を申し立てることができます。
審査会の裁定に対しては、保険会社は受け入れなければなりません。被害者として受け入れられない場合は裁判に移行することになります。
弁護士は、示談交渉をどのように進め、どのように示談を成立させるかを多くの事例から得た経験などを元にして判断し、被害者が最善の結果を得られるようにいたします。
交通事故の示談交渉においては、まず経験の豊富な弁護士のアドバイスを聞かれることをお薦めします。
高の原法律事務所
所長 坪田 園子
代表弁護士である坪田園子は、「顔の見える関係」を何より大切にしております。依頼者とは、必ず直接お会いして、お話をじっくりとお伺いしたうえで事件をお受けしております。奈良の高の原という奈良の郊外で、地域密着の依頼者対応をモットーとしております。最初は不安な顔で相談に来られた方も、無事に解決した後は、笑顔になって帰られます。一人でも多くの方の笑顔が見られるように精進致します。ぜひお気軽にご相談をくださいね。