解決事例
バイクで走行中、T字路から出てきた車に衝突され負傷、8級の後遺障害と認定された事例
1.事故状況
Aさんが片側一車線道路を走行中、T字路交差点で右折進入してきた車と衝突して転倒し、身体を強打しました。
この事故で、Aさんは跳ね飛ばされ転倒し、左腕の骨折、尿道損傷、右肘打撲の傷害を負いました。
Aさんは、救急搬送され手術を受けました。その後通院による治療とリハビリを続け、事故から1年2か月後に症状固定となりました。
2.相談のきっかけ
Aさんは、以前に交通事故の示談交渉を当事務所に委任されたことがあるので、事故から1か月後に当事務所を訪問され、弁護士と面談して加害者側保険会社との人損・物損についての示談交渉を委任されました。
3.弁護士の活動
弁護士はAさんの治療の状況を常に把握し、Aさんの治療についての要望を加害者側保険会社に伝え、Aさんが万全の治療を受けられるように計らいました。
症状固定の後、医師の診断書やMRI画像等の資料を揃え、自賠責調査事務所に対し後遺障害認定の被害者請求をしました。
Aさんの左手には痛みや可動域の制限、関節の拘縮が確認でき、いわゆるCPRS(複合性局所疼痛症候群)と診断できました。弁護士は、「軽易な労務以外の労働に常に差し支える程度の疼痛がある」として、後遺障害第7級に該当すると主張しました。
自賠責調査事務所は、Aさんの障害をCPRSそのものとしては認めませんでしたが、左手関節が完全強直したものとして後遺障害第8級と判断しました。
弁護士はこの結果を基に加害者側保険会社との示談交渉を開始し、粘り強い交渉の後に和解に至りました。
4.弁護士関与の成果
示談交渉においては、逸失利益計算における収入金額に賞与分を含めるかどうかが争点となりましたが、弁護士はこれを認めさせました。入通院慰謝料及び後遺障害慰謝料においては、加害者側保険会社は裁判基準の90%を提示しましたが、弁護士は基準通り認めさせました。
弁護士の示談交渉により、損害賠償金は総額で524万円アップしました。治療費を除いた手取り金額では、20%のアップとなりました。
損害賠償金の内訳
保険会社提示額 | 和解案 | |
治療費、交通費等 | 312万円 | 312万円 |
休業損害 | 318万円 | 318万円 |
逸失利益(22年、喪失率45%) | 2195万円 | 2787万円 |
入通院慰謝料 | 160万円 | 178万円 |
後遺障害慰謝料(8級) | 747万円 | 830万円 |
過失相殺(10%) | -373万円 | -442万円 |
合計 | 3359万円 | 3983万円 |
5.弁護士の所感
交通事故で大きな後遺障害が残って、仕事に支障を来たすようになった場合、その損失は逸失利益と後遺障害慰謝料で補償されます。
後遺障害慰謝料については、等級により基準となる金額が定められています。しかし、加害者側保険会社によっては、示談交渉では基準金額より低い金額を提示する場合があるので注意が必要です。
逸失利益は、被害者の年齢と後遺障害の等級により労働能力喪失期間と喪失率が定まりますので、その数値と事故の前年度の所得金額を使って計算します。
同じ後遺障害の等級でも、年齢や所得金額により逸失利益に違いが出ますので、大きな事故であればあるほど、弁護士に相談してから加害者側保険会社との交渉に臨まれた方が得策です。
弁護士に示談交渉を委任されると、弁護士は被害者固有の条件の中で、どのようにすれば被害者にとって一番有利になるかを考え、加害者側保険会社との示談交渉を行います。
高の原法律事務所
所長 坪田 園子
代表弁護士である坪田園子は、「顔の見える関係」を何より大切にしております。依頼者とは、必ず直接お会いして、お話をじっくりとお伺いしたうえで事件をお受けしております。奈良の高の原という奈良の郊外で、地域密着の依頼者対応をモットーとしております。最初は不安な顔で相談に来られた方も、無事に解決した後は、笑顔になって帰られます。一人でも多くの方の笑顔が見られるように精進致します。ぜひお気軽にご相談をくださいね。