解決事例
バイクで優先道路を走行中、Y字路から出てきた車に衝突され負傷。後遺障害なしの判定に弁護士が異議を申立て、12級の認定を得た事例
1.事故状況
Aさんが優先道路をバイクで走行中、Y字路交差点で安全確認を怠って進入してきた車と衝突して転倒しました。
この事故で、Aさんは左足、左膝、左手、前額部、頭部に傷害を負いました。
2.相談のきっかけ
Aさんは、事故から5か月経過した頃、知人からの紹介で当事務所を訪問され、弁護士と面談の後、この件の示談交渉を当事務所に委任されました。
3.弁護士の活動
弁護士はAさんの治療についての要望を聞いて、診療機関との調整を行い、状況を常に把握し、Aさんが十分な治療を受けられるように協力しました。
事故から8か月後にAさんは症状固定となり、弁護士は医師の診断書やMRI画像等の資料を揃え、自賠責調査事務所に対し後遺障害認定の被害者請求をしました。
弁護士は、主に左膝の疼痛及び不安定性について、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級の後遺障害に該当すると主張しました。
自賠責調査事務所は、MRI画像から明らかな外傷性異常所見はなく、機能障害についても可動域の制限が小さいとして後遺障害とは認められないと判断しました。
弁護士は、医療機関の診療記録、画像所見などの医療記録一式を取り寄せ、主治医に重要なポイントについて照会し、回答書を依頼しました。
弁護士は新たな資料を整え、自賠責調査事務所に対し異議申立てを行いました。自賠責調査事務所は医師の意見書の内容を認め、Aさんの後遺障害を12級に該当するとの判断をしました。
この結果を基に、弁護士はAさんの損害賠償額を算出し加害者側保険会社と示談交渉を行いました。
4.弁護士関与の成果
示談交渉においては、逸失利益計算における労働能力喪失率が大きな争点となりました。加害者側保険会社は、最初の10年間は14%、残りの8年間は7%の労働能力喪失率を提示しましたが、弁護士はすべての期間で14%を主張し認めさせました。
損害賠償金は総額で104万円アップしました。治療費を除いた手取り金額では、約18%のアップとなりました。
Aさんは、当初後遺障害が認定されず精神的なショックを受けておられましたが、弁護士が最善の努力の努力を尽くし12級の等級が認められた結果、後遺障害認定がなかった場合と比べて、逸失利益と後遺障害慰謝料を合わせて損害賠償金額が831万円アップしたことになり、大変喜ばれていました。
損害賠償金の内訳
保険会社提示額 | 和解案 | |
治療費、交通費等 | 134万円 | 134万円 |
休業損害 | 62万円 | 100万円 |
逸失利益(18年) | 511万円(喪失率14~7%) | 595万円(喪失率14%) |
入通院慰謝料 | 110万円 | 110万円 |
後遺障害慰謝料(12級) | 240万円 | 280万円 |
過失相殺(5%) | -53万円 | -61万円 |
合計 | 1004万円 | 1158万円 |
5.弁護士の所感
交通事故の被害者にとって、深刻な後遺症が残っているのに、自賠責調査事務所がそれを認めないのはなんとも腹立たしいものです。
損害賠償額においても、後遺障害が認められるかどうかで雲泥の差が出ます。体の痛みや機能障害に長時間悩まされるのに、それに対する補償がないのは気持ちの上からも納得できないのは当然です。
弁護士は、被害者が正当な補償を受けられるように、自賠責調査事務所に対する後遺障害認定の申請においては資料を整え万全の体制を取ります。
又、明らかに自賠責調査事務所の判断が不当であると思われるときには、医師の意見書などの追加の資料を揃えて異議申し立てを行います。
弁護士は多くの事例を経験しているので、どのように申請や異議申し立てを行うのが一番被害者にとって有利かを熟知しています。
交通事故の示談交渉は、専門的な知識を持つ弁護士のアドバイスを受けることが被害者の方にとって有用と思います。
高の原法律事務所
所長 坪田 園子
代表弁護士である坪田園子は、「顔の見える関係」を何より大切にしております。依頼者とは、必ず直接お会いして、お話をじっくりとお伺いしたうえで事件をお受けしております。奈良の高の原という奈良の郊外で、地域密着の依頼者対応をモットーとしております。最初は不安な顔で相談に来られた方も、無事に解決した後は、笑顔になって帰られます。一人でも多くの方の笑顔が見られるように精進致します。ぜひお気軽にご相談をくださいね。