赤信号で停止中、高速の車に追突され同乗者も負傷、二人が14級の後遺障害が認められた事例 ｜奈良の交通事故弁護士相談 高の原法律事務所

１．事故状況

Aさんが赤信号で停止中に、時速６０Kmでノーブレーキの車に追突されました。Aさんの車ははずみで玉突きとなり大破し、Aさんと妻のBさんは大きな怪我を負いました。

Aさんは両側顎関節炎、腰椎捻挫、胸椎捻挫、外傷性頸部症候群、両肩関節捻挫、両股関節捻挫、右側内側側副靭帯捻挫の傷害を、Bさんは、頚椎捻挫、右手部挫傷、左前腕挫傷、右手部打撲、腹部打撲、外傷性頸部症候群、腰椎捻挫、胸椎捻挫、両肩関節捻挫等の傷害を負いました。

二人は整形外科での診療を続け、事故から９か月弱後に症状固定となりました。

２．相談のきっかけ

事故から８か月が経過したころ、加害者側保険会社から治療費支払終了の打診があり、Aさんは今後の加害者側保険会社との示談交渉の準備のことを考えて、当事務所のHPをご覧になり弁護士に相談に来られました。

弁護士と面談の後、Aさんは任意保険の弁護士特約を使い、加害者側保険会社との今後の交渉を弁護士に委任されました。

３．弁護士の活動

弁護士は加害者側保険会社に連絡し、二人の診療記録や事故の記録を取り寄せました。二人が症状固定になった後、自賠責調査事務所に後遺障害認定の被害者請求を行いました。

Aさんの後遺症としては、頚椎の可動制限、腰痛・臀部痛、頭痛、あぐらをかけないなどの自覚症状と、MRIの画像による腰椎・頚椎の狭窄やヘルニア及び運動障害、関節機能障害がありました。

Bさんの後遺症としては、後頚部痛、両肩こり、頭痛・腰痛、両下肢痛、左前腕部の鈍痛・だるさなどの自覚症状と、MRI画像による椎間板膨隆や狭窄・ヘルニア及び左手の握力低下、頚椎部と胸腰椎部に運動障害がありました。

弁護士は、これらの後遺障害はそれぞれ「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級の後遺障害に該当すると主張しました。

自賠責調査事務所は、Aさん、Bさんの両名について、それぞれ14級の後遺障害と認定しました。

４．弁護士関与の成果

後遺障害等級の認定を受けて、弁護士は加害者側保険会社と損害賠償金についての示談交渉を開始しました。

主な争点は通院慰謝料と逸失利益の二つありました。

通院慰謝料について、加害者側保険会社が、低い金額を提示したのに対し、弁護士は実際に通院した期間を基準にした金額を主張し、認めさせました。

逸失利益について、加害者側保険会社が労働能力喪失期間を3年間と主張したのに対し、弁護士は後遺障害の重さから5年を主張し、認めさせました。

損害賠償金の内訳

Aさんの成果　金額アップ：４９万円、実質手取りのアップ率：２０％

Bさんの成果　金額アップ：４５万円、実質手取りのアップ率：１３％

５．弁護士の所感

会社員であるAさんの休業損害が５万円で、主婦であるBさんの休業損害が９６万円というのは少し変なように思われるかもしれません。

会社員が、怪我をしても治療しながら勤務を続け、給与が減額されていない場合には休業損害は発生しません。主婦は家事労働者とみなされ、通院をした日は休業したとみなされ、女性労働者の平均年間所得を基準に一定の金額が休業損害として補償されます。

交通事故の示談交渉においては、初めて経験する人にとっては意外と思われるところも出てきます。

加害者側保険会社と示談交渉するにあたっては、交渉の実務に精通した弁護士に委任するのがお勧めです。

弁護士は、多くの経験を活かして委任者のために最善の結果を求めることに全力を尽くします。