解決事例
道路を直進中、左側の駐車場から出てきた車と衝突し負傷、14級の後遺障害が認定された事例
1.事故状況
Aさんが道路を直進中していたところ、道路左側の店舗の駐車場から右折で対向車線に出ようとした車がありました。Aさんは自車が通り過ぎてから出るだろうと思っていたところ、その車がいきなり出てきたのでAさんは避けられず衝突しました。
この事故でAさんは負傷し救急車で搬送され、頸部症候群・胸椎捻挫と診断されました。Aさんは通院で治療を続け、事故から7か月後に症状固定となりました。
2.相談のきっかけ
Aさんが症状固定となったので、加害者側保険会社がAさんの後遺障害について自賠責調査事務所に後遺障害の事前認定を申請し、14級9号と認定されました。
加害者側保険会社はAさんと示談交渉を開始し、損害賠償金の提示をしました。
Aさんは、提示された金額が妥当かどうかの判断がつかないため、弁護士に相談するために当事務所に来られました。
Aさんは弁護士と面談し、事故からのいきさつや今後の対応について弁護士の意見を聞き、加害者側保険会社との示談交渉を弁護士に委任されました。
3.弁護士の活動
弁護士はAさんの診療記録、診断書や警察の事故報告書を取り寄せ、事故や傷害の詳細を調査し、妥当な損害賠償金額を算出しました。
この算出額を基に、弁護士は加害者側保険会社との示談交渉を行いました。
4.弁護士関与の成果
弁護士は、治療費、通院慰謝料と逸失利益について加害者側保険会社と交渉し、大きく金額をアップさせました。
・治療費:Aさんは、事故後6カ月で加害者側保険会社から治療費を打ち切られましたが、その後1ヶ月間症状固定まで自費で通院していたので、その治療費も本件事故の治療費と認めさせました。
・通院慰謝料:加害者側保険会社は、金額が低くなる自賠責基準を用いて算出していたのを、日弁連交通事故相談センター編集の「赤い本」の基準の金額とさせました。
・逸失利益:加害者側保険会社は労働能力喪失期間を3年としていましたが、弁護士は「赤い本」基準の5年を認めさせました。
加害者側保険会社案 | 和解金額 | |
治療費、交通費等 | 47万円 | 49万円 |
通院慰謝料 | 45万円 | 98万円 |
逸失利益(5%) | 71万円(3年) | 115万円( 5年) |
後遺障害慰謝料(14級) | 110万円 | 110万円 |
小計 | 273万円 | 372万円 |
過失相殺(20%) | 55万円 | 75万円(20%) |
損害賠償額合計 | 218万円 | 297万円 |
弁護士の交渉の結果、損害賠償金は79万円アップしました。これは治療費を除いた金額の約45%アップに相当します。
5.弁護士の所感
交通事故の経験のない被害者にとって、保険会社が提示する損害賠償金額が妥当かどうかは判断がつかない場合があります。
また、金額の根拠となる基準にも、自賠責基準、「赤い本」の基準、裁判基準などいくつもの基準があります。
弁護士は、事故の程度や被害者の状況などを勘案して、加害者側保険会社と示談交渉に臨みます。弁護士が経験した過去の事例や裁判の判例などからどのような基準を採用すべきかなど判断して、委任者にとって一番有利となるように交渉を行います。
本件では、加害者側保険会社に治療の途中で治療費を打ち切られたので、その治療費も示談交渉で損害賠償金額の中に含めることが出来ました。
交通事故の被害者が加害者側保険会社との示談交渉をする際には、少なくとも弁護士の意見やアドバイスを聞くことが有用と思います。
高の原法律事務所
所長 坪田 園子
代表弁護士である坪田園子は、「顔の見える関係」を何より大切にしております。依頼者とは、必ず直接お会いして、お話をじっくりとお伺いしたうえで事件をお受けしております。奈良の高の原という奈良の郊外で、地域密着の依頼者対応をモットーとしております。最初は不安な顔で相談に来られた方も、無事に解決した後は、笑顔になって帰られます。一人でも多くの方の笑顔が見られるように精進致します。ぜひお気軽にご相談をくださいね。